ふくらはぎの筋肉と踵骨をつなぐ腱(アキレス腱)自体に炎症が起きることをいいます。
好発部位である、踵骨付着部から近位2~6cmは血流が乏しく、横断面が小さくなるため、そこに繰り返し負荷がかかることでアキレス腱が微細に損傷し発症すると言われています。
また近年では、アキレス腱は腓腹筋内側頭・外側頭、ヒラメ筋の3つが捻じれて踵骨に付着しているという解剖学的特徴から、足部が過回内してしまうこと(偏平足など)でアキレス腱内でストレスの偏りが起こることが要因の一つであると重要視されています。
さらにオーバーユース症候群として知られており、マラソンや剣道、ジャンプスポーツの選手に多く見られます。それはつま先立ちや、繰り返しのジャンプ動作、ランニングでアキレス腱への負担が繰り返しかかることが要因の一つであるといえます。
その他に似たような症状としてアキレス腱周囲炎やアキレス腱付着部炎があります。こちらも同様にオーバーユースにより発症しますが、損傷している組織が違うため区別して扱われます。
アキレス腱の障害は一度よくなっても、運動強度や身体の使い方、足部のアライメント不良が改善していないとに再発してしまう恐れがありますので、アキレス腱に痛みの覚えがある人は早めの受診をお勧めします。