打撲とは、衝突や転倒などによって強い衝撃を受けて、筋肉や皮下組織などが損傷するものです。刺傷や切傷と違って外に出血しないので、軽症だと思われることが多いですが、内出血がひどい場合は放っておくと損傷部位に血液が溜まりコンパートメント症候群を起こす危険性があります。また、打撲だと思っていても骨折していたり、筋肉が大きなダメージを受けていたりする場合もあるため注意しましょう。
打撲の中でも、強い衝撃によって深部の筋に損傷をきたしたものを筋挫傷と言います。ラグビーやサッカーなどでの激しい接触(コンタクトプレー)で生じ、大腿四頭筋やハムストリングスに好発します。筋肉が骨に押し付けられ、骨に近い筋肉の深層が損傷します。重症例で骨膜の損傷を伴う場合には、ときに骨化性筋炎に移行することがあり、注意が必要です。