オスグッド病(Osgood-Schalatter病)は、膝の脛骨粗面に生じる骨端症で成長期の下肢のスポーツ障害として代表的なものです。主な症状としては、腫脹、熱感、疼痛がみられ、骨の成長期(骨端線閉鎖前)にスポーツ障害として発症します。大腿四頭筋の牽引力が力学的に脆弱な脛骨粗面の骨端部に繰り返し働くことで生じ、10〜14歳の男子に好発します。この時期は骨の急激な長軸成長が起こり、脛骨粗面の強度は比較的脆弱という特徴があります。また、発症の好発時期は本格的に競技をはじめる選手も多く、競技種目を絞ることにより特有の動作が繰り返される時期とも重なります。
発症早期に適切な治療を選択することで、骨性修復や症状の早期改善が期待できます。一方で、痛みを我慢しながらスポーツを継続すると脛骨粗面部に小骨片を形成し、難治化することもあります。そのため、症状が悪化する前に発見すること、発症初期の運動制限や大腿四頭筋のタイトネスを改善することがとても重要です。