内側側副靭帯(Medial collateral ligament:MCL)という「大腿骨から脛骨にかけて付着する膝の内側を安定させる靭帯の損傷」のことをいいます。
スポーツによる外傷によって起こることが多く、ラグビーのタックルなど相手との接触で起こる接触型とサッカーのカット動作など急な方向転換によって起こる非接触型があります。
また、内側側副靭帯損傷はその重症度によって分類され、特に重症度が高いものではMCL以外に前十字靭帯と内側半月板も複合的に損傷してしまうことがあります。
この3つを同時に損傷してしまうことを「不幸の三徴候(アンハッピー・トライアド)」などと呼ばれています。
Ⅰ度:小範囲の線維(コラーゲン繊維10%未満)の損傷
圧痛のみで外反動揺性を認めない
Ⅱ度:靭帯組織が部分的に断裂したもの
伸展位の外反動揺性(-)、膝関節30度屈曲位で外反動揺性(+)
Ⅲ度:靭帯組織が完全に断裂したもの
伸展位の外反動揺性(+)、膝関節30度屈曲位で外反動揺性(+)
内側側副靭帯損傷は膝の靭帯の中で最も頻度が高いですが、予後良好になることがほとんどです。
しかし、適切な処置、リハビリを怠ると痛みや恐怖感がとれず復帰が遅れるばかりか、再発してしまうこともあるので注意が必要です。
当院では、徒手検査だけではなく超音波検査機器を用いてケガの状態を診させてもらい、損傷の度合いを判断します。