シンスプリントはランニングや跳躍などの運動時や運動後に、脛骨中央1/3から遠位1/3の内側後縁に沿って広い範囲で疼痛が生じる慢性スポーツ障害です。陸上競技の中・長距離やサッカー、バスケットボールなど走ることの多い競技で、中学・高校生の選手(特に新人選手)に多くみられ、疲労が溜まったときに発症しやすく、下腿の内側に痛みが起こります。
ヒラメ筋・後脛骨筋・長趾屈筋などの足関節を底屈する筋や筋膜の繰り返し加えられる牽引による脛骨の骨膜の炎症で、同部位に限局した強い痛みが続く場合は、疲労骨折との鑑別が必要です。脛骨過労性(疲労性)骨膜炎とも呼ばれてきましたが、脛骨疲労骨折を除いたmedial tibial stress syndrome(MTSS)と海外では表現されています。
シンスプリントは、痛みを感じながらも競技を継続している選手が多くいます。しかし、無理をして競技を継続したことで疲労骨折へと悪化し、長期離脱を強いられることもあります。そのため、早期から治療を行い疼痛をコントロールする必要があります。