足底腱膜炎は、歩行やランニングなどにより足底腱膜への微小外傷が繰り返されて同部位が変性し踵部に痛みを生じるもので、ランナーに好発することが知られています。
進行にともなって石灰化、骨化といった変化がみられるようになり、X線像で骨棘がみられることもあります。足底腱膜は、踵骨隆起の内側結節から始まり、第1〜5趾基節骨底面に停止する頑丈な腱組織で、足の縦アーチを支えています。
長時間の立ち仕事や歩行により、かかとの内側前方に痛みが出ます。階段を昇る際や、つま先立ちなどで痛みがさらに増します。
中年女性に多く、朝、起床して最初の1歩目に痛みを感じます。歩くうちに徐々に軽減し、夕方になって歩行量が増えるに従い、再び痛みが強くなってきます。
同様の症状は、スポーツ活動の際にもみられます。ランニングなどの開始時は痛みを強く感じますが、運動を続けるうちに徐々に軽快し、長時間になると再び痛みが強くなってきます。
足底腱膜炎は、一般に症状と身体所見により判断されます。最近では補助的な判断材料として、超音波検査の有用性が報告されています。